日本で英語を学んだあなたが初めてオーストラリア人と話をすると聞き取れない!と戸惑うことも多いかもしれません。
というのも日本語にも各地のなまり・方言があるように英語にもいろんな特徴のあるなまり(dialect)があるからです。
アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語の発音には驚くほど違いがあります。
私達が日本で見聞きする英語にはアメリカの影響が強く、英語というものは強い巻き舌で話すものと私も若い頃は真剣に信じていました。
実際巻き舌で英語を喋る人を見るとかっこいいなあー、うまいなあーと関心したものです。
でも、英語は下の表で見る通り、いろんな国で話されそれぞれの国で発達した独特の訛りや単語があります。
私はイギリスとオーストラリアにしか住んだことがないのでイギリスとオーストラリアの英語について書いてみます。
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イギリス国内で話されるのは英語だけ?
私達がイギリスと呼んでいる国にはスコットランドやアイルランド、ウェールズなども含まれていて、それらの国にはそれぞれの文化、言語があります。
そして彼らの英語には各言語のなまりが加味されるため、かなりの発音の特徴に違いがあります。
イギリスでも北部でスコットランドよりの地方の英語はあまり口をあけないで話すため、私には英語の中の東北弁のように聞こえます。
さらに、イギリスでは階級(Class)の違いによって英語の発音、話し方が全然違います。
イギリス人全員がエリザベス女王のような英語を話すわけではないのです。
イギリス人同士では開口一番、だいたいどの地域の出身か、裕福な階級の出身かどうかがわかるといいます。
「パラマタ(Parramatta)」が「Pirrimitti」に?
オーストラリア人はそのフレンドリーな性格で大きく口を開けてゆっくり話してくれる人が多いため慣れると聞き取りやすいです。
しかし初めてオーストラリア英語に触れる方は、オーストラリア英語にはくせや訛りがあるということを頭に入れておいたほうが良いでしょう。
- 「A」を「あーい」と発音
- 「I」も「あーい」と発音
- 「ペイント(paint)」「ペイ(pay)」「エイト(eight)」「エイチ(h)」などはそれぞれ、パーイント、パーイ、アーイト、アーイチになる!
私がオーストラリアに来た頃、私が電話でスペルを聞き取って書いた地名は「Pirrimitti」。
でも相手は「パラマタ」と発音するので訳が分かりませんでした。
というのも、電話の相手が「アーイ」とスペリングしたのは「i」ではなく「a」だったのです。
シドニーでそのころ住んでいたアパートの管理人さんも、これまたなまりの強い人で「ぱーいんと」「ぱーい」「あーいと」「あーいち」という言葉を発するたびに私の頭の中は真っ白に!
それらが「paint」「pay」「8(eight)」「h(エイチ)」と気づくまでに随分時間がかかりました。
「h」や「a」に関しては単語を言われても分からない。
親切にスペルを教えてもらったは良いけど余計に混乱(笑) 更に「j」などは大きく口を開けて「ジャーイ!」なんて言うしでもう大変。
とうとう「a」と「i」はどう区別するのかわからずじまい。
今考えてみれば、聞き取れない単語は紙に書いてもらうのが一番の近道だったと思います。
でもご安心を。
私の昔の管理人さんのようにバリバリの下町おじいさんや田舎のほうに住んでいる人たちは別として、街に住んでいる人たちはそんなになまりは強くありません。
私にとってはそれも少し残念な気がしますが…。
アメリカ人には「イギリス英語」、イギリス人には「アメリカ英語」?
オーストラリアにやってきたアメリカ人は「オーストラリアはイギリスの植民地だったからイギリス英語だね」といいます。
でも、イギリス人はオーストラリア人のしゃべる英語を聞いて、「ずいぶん英語がアメリカ寄りだからびっくりした」と言っていました。
どちらが本当なのでしょう?
実はオーストラリアで使う単語は下の表からもわかるように、アメリカ英語とイギリス英語が入り混じっているのです。
日本語 | アメリカ英語 | イギリス英語 | オーストラリア英語 |
サッカー | Soccer | Foot ball | Soccer |
エレベーター | Elevator | Lift | Lift |
ゴミ | Garbage | Rubbish | Rubbish |
(車の)トランク | Trunk | Car boot | Car boot |
歩道 | Sidewalk | Pavement | Pavement |
地下鉄 | Subway | Underground | Subway |
水道の蛇口 | Faucet | Tap | Tap |
映画 | Movies | Films | Movies |
クッキー | Cookie | Biscuit | Biscuit |
携帯電話 | Cell phone | Mobile phone | Mobile phone |
秋 | Fall | Autumn | Autumn |
アパート | Apartment | Flat | Unit |
消しゴム | Eraser | Rubber | Eraser/Rubber |
校長 | Principal | Headmaster | Principal |
洗濯物 | Laundry | Washing | Laundry/washing |
もともとはイギリスの植民地だったのでイギリス英語のはずだったのが、ハリウッド映画やメディアなどの影響でどんどんアメリカナイズされていった結果、オーストラリア英語はイギリスとアメリカの中間になったのです。
アメリカ人やイギリス人から見ると、自分たちの使わない英語が強調されて聞こえるので、アメリカ人には「イギリス英語」に、イギリス人には「アメリカ英語」に思えるのでしょう。
まとめ
一口に英語と言っても、みんな同じではありません。
実際、アメリカ英語とカナダ英語ではずいぶん違うし、オーストラリア英語とニュージーランド英語もかなりの開きがあります。
- 英語は2014年時点で58の国と21の地域で公用語として話されている。
- それぞれの国で特徴のあるなまりやスラングがあり、時として、どちらも英語をしゃべっているのにお互いに聞き取れないことがある。
- オーストラリア訛りとして「エイ」を「アイ」と発音する。
- オーストラリア英語にはイギリス英語の単語とアメリカ英語の単語が混在する。
- オーストラリア英語には独自のスラングやオーストラリア流に省略されたスラングが会話に多用される。
オーストラリアにいらっしゃるときは以上のことを踏まえて、オーストラリア人の英会話をじっくり耳を澄ませて聞いてみてください。
また、耳を慣らすために、吹き替えなしのオーストラリアの映画を見てみることもおすすめです。