私たち日本人には日本で育つうちに自然と染み付いた常識や生活習慣がありますが、海外に住んでいるとそれらが世界中で通用するものではないことを教えられます。オーストラリアと日本の常識をくらべても、信じられないほど違うことが結構あります。今日はそんな生活の情報をお届けします。
例えば、
- 風邪をひいて熱のある時はどうする?
- 水を大切にするオーストラリアのお皿の洗い方は?
- 洗濯ものは雨に濡れてもいつかは乾く!?
- 夏でもコート、冬でもタンクトップ、そのわけは?
- 裸足でおでかけ!?
どこの国に行っても生活習慣の違いはあると思いますが、オーストラリアでは、常識というより、個人がどう感じるかが一番大切。「こうしなければいけない!」ということが少ないのが特徴です。
Contents
「熱が出たら水風呂に入れ」ってどういうこと!?
昔、シドニーでホームステイをしていた時、風邪をひいて熱っぽいとホストマザーに話したところ、水風呂に入るか冷たいシャワーを浴びるように言われ、びっくり仰天。自分の母親からは「風邪の時はお風呂に入らないように」と口を酸っぱくして言われて育った私。水風呂に入ったりしたらそれこそ肺炎になる!と思って入りませんでしたが、びっくりしました。
それから時がたち、長女が赤ちゃんの頃、夜中に熱けいれんを起こし、ドクターに教えられていた24時間ヘルプラインに電話すると、「赤ちゃんの現在の体温より少し熱めのお風呂に入れてお湯が冷めるまで待ちましょう。そうすると体温はお湯の温度といっしょに下がってくるので、落ち着いたら病院へ。」
実際、言われたとおりにすると熱も下がり、ヘルプラインの人の的確な情報と指示に感謝しました。あー、昔ホストマザーが言ったことはこういうことだったのかと思いました。熱のある時は冷たいシャワーで熱を冷ませということ…。
今でも風邪をひいて熱のある時に水シャワーに入る勇気はないですが、習慣の違いってすごいな、と思います。ちなみに寒くて風邪をひきそうなときは熱いシャワーを浴びろ、と言われます。
洗剤の泡はお皿を光らせるため?
オーストラリアの一般家庭ではお皿を洗う時にすすがないおうちが多いです。これは私の友人たちもみんな、オーストラリアに来て最初にびっくりしたこととしてよく話します。
彼らのお皿の洗い方は、お湯をためながらそこに洗剤を入れて泡ブクブクにし、汚いお皿を放り込んで洗い、泡がついたまま水切りトレーに洗い上げる。泡のついたお皿をティータオルと呼ばれる大きなふきんで拭いてしまう!
私はそれが気持ち悪くて流し水ですすごうとして、ホストマザーに「水がもったいない!」と怒られてしまいました。これは日本人の経験として本当によくあるようです。あと、「泡はお皿を光らせるためなのよ」と言ったオーストラリア人もいました。
個人的には皿は光らなくてもいいから、泡が残ってないお皿で食べたいんですが・・・。
雨が降ってもあわてない、騒がない理由はこれ!
オーストラリアに来た頃、急に雨が降ってきて頭を手で覆って走ってるとその姿を見たオージーの友人に「日本人はpaper dollか。濡れたらとけるのか?」と笑われました。紙でできた人形ではないけど、濡れたら嫌ですよね。オーストラリアに来て以下の点に私はびっくりしました。
- オーストラリア人は多少の雨では動じない。雨の中でも悠々と濡れて歩く。
- 家に傘がない人が多い。
- 洗濯物は雨が降っても取り込まず、いつまでも乾くまで干してある。
- オーストラリアの傘は大きくて派手で海水浴場のパラソルみたい(これは最近はアジア製品の影響でおしゃれになり、こういうのを持ってる人は少ないですけどね)
オーストラリアの人々が雨が降ってきてもあわてない、騒がないのは「雨はただの水、いつかは乾く」という理由らしいです。
裸足が大好き!?一年を通して服装は夏冬関係ない?
これも最近でこそ少なくなりましたが、昔はあの大都会のシドニーの街中ですら裸足の人が多かったです。
知り合いの50代の男性は「俺たちが子供のときはみんないつも裸足だった。自分は裸足で未舗装の道を片道1時間くらいも歩いて小学校へ通ったもんだ。」と言っていました。たぶん昔のオーストラリア人の生活は今と比べ物にならないほど野生に近かったんだろうなと思います。ちなみにその男性は自分の家の近所では今でもはだしです。
- 今でも子供たちは公園で裸足。大人もホリデーのときやくつろぐときは場所にかかわらず裸足が多い。
- 暑い日には街でも上半身裸の男性はふつうにみかけますし、女性も年齢にかかわらず肌をみせて涼しく過ごせればそれでいいのです。
- 一年を通して、長袖の服やコートを着た人の隣に半そでの人がいるのが普通に見かけられます。
裸足でいるのはそれが気持ちいいからだし、気温の感じ方は人それぞれなので、冬にタンクトップを着てもいいし、夏に冬物のジャケットを着ていても全然平気というわけです。よって、「衣替え」というめんどうなものもない国なのです。
まとめ
イギリス人が囚人の流刑地として入植を始めてから約230年。オーストラリア人は代々この国の自然の中で生きていくうち、イギリスの習慣はある程度残ったものの、気候の違いから随分とかけ離れた生活になったものだと思います。
いろんなオーストラリア人と話すとおじいさんおばあさんの時代に移住した人、お母さんお父さんの代に移住した人、その世代ごとにイギリスの影響とオージー気質が見られて興味深いです。
- 寒くて風邪をひきそうな時は熱いシャワー、熱が出たら冷たいシャワーをあびて体温調節
- 水を無駄にしないため、あるいは皿を光らせるためにお皿をすすがない
- 雨が降ってもあわてない。濡れたものはいつかは乾く
- リラックスするには裸足が一番
- 季節に関係なく個人の体感温度で服装を決める
どうでしょう?自然に恵まれたオーストラリアで、自由にのびのびと自然体で生活するオーストラリア人の生活が見えてきませんか?昔は閉ざされた島国だったオーストラリア。この便利な情報社会の中で昔の古き良き時代のオーストラリア人の生活がどんどん変わっていっているようで少し寂しい気がしています。